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2017.10.12 Thursday

あの時のお礼。

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    あの日の京都は

    とても暑く

     

    そして

    その時

    頂いた

     

    冷たいサイダーが

     

    今の自分の在り方を

    示してくれた。

     

    今日

    書くのは

    そんなお話しです。

     

     

     

     

     

    今から

    10年近く前。

     

    あこうぱんの経営状態は

    良いとは言えず

     

    スタッフのお給料を渡すと

    僕と奥さんのは 出ない。

     

    といった日々を

    2年近く続けてる時でした。

     

    そんな時

     

    友人の赤穂緞通の織り手さんが

    京都の町屋を借りて

    個展を開くということを

    聞き

     

    僕は

    応援したくて

    居てもたってもいられず

     

    パンをいっぱい焼いて

    京都に持っていくことにしました。

     

    その日は

    日曜日。

     

    まだ

    そのころは

    あこうぱんの定休日は日曜日だったのです。

     

    小学校一年の息子も

    行きたい と言うので

     

    僕と息子

     

    パンを5箱分

    車に詰め込んで

     

    慣れない京都に

    向かいました。

     

    片道三時間かけて

    京都に着くと

     

    町屋なので

    駐車場などなく

     

    かなり離れた場所に駐車して

    そこから

    パン箱を抱えながら

    息子と二人

    えっちら おっちら。

     

    あまりにも暑くて重いので

     

    パン箱をいったん降ろし

    周りを見渡すと

     

    箱を置いたその場所は

    大きな門構えの料亭。

     

    いつかは

    僕も家族をこんなところに

    連れて行ってあげたいなぁ。。

     

    なんて思いながら

    またパン箱を持って

    えっちら おっちら。

     

    それで

    なんとか

    到着。

     

    でも

    個展のことを

    何も知らずに

    来たもんだから

     

    その町屋を見て

    びっくり。

     

     

    パンを食べるような雰囲気の場所じゃない。

     

    しかも

    パン箱5箱分!

     

    どうしようか?・・と迷ってたら

     

    その織り手さんの為を思って疑わない

    息子が

     

    「早く パンを渡してあげよう。」

     

    ・・と恐る恐る

    友人に会ってみると・・・・

     

    パン箱を見て

    びっくりされて

     

    やはり 困った顔。

     

    彼女一人の個展なら

    まだ許されたんだろうけど

     

    その時は

    和紙を使った

     

    灯り作家さんとのコラボの個展。

     

    彼女だけなら

    普段からの

     

    僕の

     

    空気を読めない

    距離感掴めない という行動も

     

    苦笑いで すむんだろうけど

     

    やはり

    初対面のそのアーティストさんには

    失礼でしか ないですもんね。

     

     

    これは

    彼女たちの個展であって

    僕の作ったパンを

    ひけらかす場所ではない。

     

    なぜ

    もっと

    彼女たちの

     

    ここに至るまでの

    苦労を理解しようと思えなかったのか。。

     

    ホントに

    申し訳ない気持ちでいっぱいになり

    挨拶もそぞろに

     

    帰ろうとした

    その時

     

    その灯り作家さんが

    僕と息子を呼び止め

     

    「今日は 遠路はるばるありがとうございました。」

    と言って

    冷たいサイダーを持たせてくれました。

     

     

     

    友人の応援と言いながらも

    どこか

    自分の存在をアピールしたかったんじゃないんだろうか?

     

     

    京都の誰かが

    自分のパンを食べてくれて

    どこかの誰かが

    今の状況を打破してくれる。。なんて

    思っていたんじゃないんだろうか?

     

     

     

    笑顔で対応してくれた

    彼女を見てたら

    そんな自責の念に駆られてしまい

     

    逃げるように

    町屋を後にしました。

     

    僕が

    空いたパン箱を持ち

     

    息子が

    頂いたサイダーを持ち

     

    駐車場まで

    帰る途中

     

    息子が言いました。

     

    「お父さん サイダー飲んでいい?」

     

    見ると

    息子は 汗でびっしょり。

     

    そうやね。と

     

    パン箱を降ろし

    缶の蓋をあけてやり

     

    僕も飲もうとした

    その時

     

    後ろから

    クラクションを鳴らされました。

     

    見ると

    僕らが居る場所は

     

    行く途中で見かけた

    大きな料亭。

     

     

    そのクラクションを合図に

    その料亭の門から

    女将さんや料理人さんのような方も

    出て来られて。

     

    そのクラクションは

    僕らに鳴らしたのではなく

    挨拶に出てきなさい。という合図だったようで

     

    どんな人が

    その車に乗ってるんだろう?と

    見ていたら

     

    降りてきたのは

    僕と変わらないくらいの男性。

     

    後部座席からは

    これまた

    僕の息子と変わらないくらいの男の子とお母さん。

     

    みんなきれいな服装で

     

    お店側の人が

    全員お辞儀をする中

     

    楽しそうに笑顔で

    門の中に入っていきました。

     

     

    愕然としました。

     

    僕と年恰好も変わらない

    あの人は

     

    送迎付きの車で

    こんな料亭で家族と食事が出来て

     

    かたや

    僕と言えば

     

    応援と言いながらも

     

    相手のことを考えず

    京都まで来て

     

    汗だくになって

    これからまた

     

    お給料の出ない日々を

    送る生活に戻ろうとしてる。。。

     

    情けない。。

     

    来るんじゃなかった。。。

     

    そんなことを思った時

     

    サイダーを口にした

    息子が

    言いました。

     

     

    「おいしいなぁ。」

     

     

    って。

     

     

     

    それは

    もう嬉しそうな顔をして

    言ったんです。

     

    「お父さん 

     

     応援しに京都まで来て 良かったね。

     だって こんなおいしいサイダーもらえたんやもん。」

     

     

    僕も

    飲みました。

     

    炭酸がのどに当たり

     

    喉の奥に詰まってた

    いろんなことが 一気に流れて行った気がしました。

     

    美味しかった。

     

     

     

    そして。

     

    灯り作家の彼女がくれた

    サイダーの意味を理解しました。

     

    「ありがとう。」だったってこと。

     

     

    豪華だとか

    お金持ちだとか

     

    余裕があるとか

    有名だからとか

     

    そんなこと

     

    その人を想う気持ちに

    何の必要もない。

     

    ただシンプルに
    その人を想い

     

    その人の喜ぶ顔が見たくて

    起こした行動は

     

    誰も傷つけることなどなく

    その人を笑顔に出来る。

     

     

    この冷たいサイダーのように。

     

     

    息子は

    大きな料亭に入っていくお金持ちの家族なんかより

     

    僕が

    応援したい。と起こした行動を

    信じ 喜んでくれた。

     

    お店も全然繁盛しないで

    お給料も もらえない こんな僕を。

     

     

    これからは

     

    人を羨むことなく

     

    もっと もっと

    相手のことを真剣に想い

     

    今まで以上に

    応援したい。という気持ちの

    パンを作っていけばいい。

     

    この美味しいいサイダーのようなパンを。

     

     

     

    そこからです。

     

    僕の今の

     

    相手のことを

    ただ ただ想い

    パンで応援する。というカタチになったのは。

     

     

     

     

    そのサイダーをくれた

    彼女が

    今年 赤穂に引っ越してきました。

     

    引っ越し祝いもしたし

    その後

    コラボでいろんなお話しもさせてもらったんですが

     

    なかなか

    あの時のサイダーのお礼が言えず

    どうしようか??と思っていたら

     

    彼女の工房の庭を活用した

    森の家という場所に

     

    ツリーハウスを作ったお披露目パーティーの

    ケータリングのお仕事を頂き

     

     

    パンの説明をしながら

    10年近く経った今

     

    あの時のお礼を言うことが出来ました。

     

    あの時

    頂いた

    サイダーのおかげで

     

    今の自分のスタイルが見つけられました。

    そして

    他人を羨むことなく

    相手を祝えるようになりました。と

     

    伝えると

     

    「ごめんなさい。覚えてないの。」って。

     

    この正直さに

    また僕はうれしくなりました。

     

    覚えてなくていいんです。

    それがいいんです。

     

    だって

    あの時の

    あなたの行動が

    それだけ いつも通りだったということだから。

     

     

    みなさん

    よければ

    足を運んでみてください。

     

    ステキな場所に

    ステキなヒトが居ます。

     

    もちろん

    ステキな灯りと森も。

    http://yukiakarikoubou.com/

     

    2017.10.20 Friday

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